
偏差値が“50”以上ある学校ならどこでもいいと思うぞ!
これは、中学受験を決めたときに、子どもにプレッシャーを与えないように励ますつもりでいった言葉。
のちに、中学受験の偏差値50は、高校受験の偏差値60に相当することを知ることに・・・。
中学受験における偏差値“50”とは?
偏差値とは、受験生全体の中で自分の学力がどの位置にあるかを示す指標です。
ただ、この偏差値というのは母集団によって変わってくる為、“中学受験”と“高校受験”の偏差値を単純に比較することができません。
たとえば、首都圏だと中学受験をする小学6年生は全体の約20%程度、全国だと約10%前後いると言われています。
そして、その中でも中学受験に挑む子どもたちは、成績上位層が多く集まっています。
つまり、中学受験における偏差値“50”というのは、小学生全体から見れば「かなり上位」に位置するということになります。
一方、高校受験は、ほとんどの中学生が進学するため、偏差値は上から下まで幅広い層を含んだ「全体の中の平均」となります。
そのことを表(ベン図)にしてみたのが下記です。


上記は、単純化した表(ベン図)のため一概には言えませんが、中学受験における偏差値が“40”だとしても、高校受験の偏差値“50”を上回っているのではないかと思われます。



中学受験の偏差値“50”はだいぶ上の方なのね。
偏差値“50”は、都立中高一貫校に合格できるのか?
都立中高一貫校の偏差値は、おおむね58前後です(なお、小石川は60後半、武蔵が60前半です)。
そのため、日能研や四谷大塚、enaの模試で偏差値“50”だと、都立中高一貫校の合格は難しいかもしれません。



偏差値50でも、小学生全体から見たら上位層なのに難しいのね。
合格する可能性がでてくるかどうかの分水嶺(ぶんすいれい)は、偏差値56以上だと思います。
漫画『二月の勝者』でも触れられていましたが、この偏差値56のラインを超えるには、一段階レベルアップした問題を解く必要があります。
つまり、偏差値50までは、基礎的な知識や技術を問う問題が中心ですが、偏差値56を超えるには、応用力・論理力・柔軟な思考力が求められる問題を攻略する必要があります。



地名や漢字などを暗記したり、算数の解法を覚えただけでは太刀打ちできないんだよな・・・。
「偏差値56の壁」を越えるには?
都立中高一貫校の入試で出題される適性検査では、とにかく“読解力”がないと始まりません。
そのため、偏差値56以下の段階だと、「集中して問題文を読み、情報を整理し、論理的に考える訓練」を重視した方がいいと思います。
そして、その訓練に最適だと思うのが、筋道を立てて答えを導く「論理パズル」です。



おすすめの問題集は以下の2つです。
SAPIX監修の『きらめき算数脳』シリーズ


宮本哲也先生の『賢くなるパズル』シリーズ


どちらの問題集も時間制限を設けずに集中して取り組むことで、問題文を読み、情報を整理して論理的に考える力が飛躍的にアップすると思います。
逆に言えば、「問題文を読む力がない状態」でいくら解法テクニックを詰め込んでも、応用問題に対応できず、偏差値56の壁は越えられないのでは・・・と思います。
まとめ
中学受験における偏差値は、高校受験とはまったく意味合いが異なります。
「偏差値50だから大したことない」というのは大きな誤解であり、むしろ「かなり優秀」だと思います。
しかし、都立中高一貫校を目指す場合は、さらにそのもう一段階上を目指す必要があると思います。
もし、日能研や四谷大塚、enaの偏差値が“56”を超えないといった場合は、1日1問でいいので「論理パズル」を取り入れてみてはどうでしょうか?

