
出発まで少し時間があるから、30分だけゲームしていい?
これは中学受験の当日の朝、わが子が発した一言です。
わが家では、中学受験の期間中も、ゲームを完全に禁止することはありませんでしたが、なんでも“OK”だったわけではなく、いくつかのルールを設けました。
今回は、我が家で実践してよかった「ゲームに関するルール」や、娯楽への考え方をご紹介します。
ゲームをした分だけ、同じ時間は勉強する
わが家では、毎朝30分の学習は、“習慣(義務)”としていましたが、それ以外の時間については、基本的に自由に過ごさせていました。
とは言っても、ゲームに関しては次のルールを設けていました。



ゲームを1時間したければ、1時間勉強する!
なお、このルールは、(多少の誘導はしましたが、)子ども自身に考えさせて決めさせました。
なぜなら、親が一方的にルールを押しつけると、「自分で決めたものではない」という意識が強くなり、守る気持ちが薄れてしまうからです。
ちなみに、当初は「ゲーム1時間に対して、勉強2時間」という比率だったのですが、



これは公平じゃないような気がする──。
といって、勉強とゲームの比率を1:1に変えてしまいましたが、そこは目をつぶりました。
スマホゲームは完全禁止
子どもは、親のスマートフォンを使って、「星のドラゴンクエスト」や「にゃんこ大戦争」、まいぜんシスターズが実況していた「脱獄ごっこ」などを好んでプレイしていました。


しかし、中学受験を始めたタイミングで、「スマホゲーム」はすべて禁止しました。
何故なら、スマホゲームは「ログインボーナス」などによって、ゲームを“習慣化”させる仕組みがあるからです。
加えて、スマホはどこでも気軽に遊べてしまうため、据え置き型のハードよりも依存性が高いのも問題でした。



なお、“スマホゲーム禁止”のルールは中学入学後も継続中です。
正直なところ、スマホゲームは「ゲーム依存を量産する装置」だと考えているので、自分自身は一切やっていません。
なお、そのように考えるきっかけとなったのは、アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』と、川島教授が監修した『スマホはどこまで脳を壊すか』を読んだことも影響しています。



ともに、スマホの使用が脳に与える影響について、科学的に解説されています。









川島教授は、世界で3,300万本を売った「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の監修をされた方です。
オンラインゲームは原則禁止
我が家では、任天堂オンラインなどのオンライン機能は、基本的にすべて禁止していました。
理由はシンプルで、「自分の意志でやめられない」ことがあるからです。
たとえば、マルチプレイでは他人に迷惑がかかるため、「途中でやめる」ことが難しく、ダラダラとプレイ時間が延びてしまうことがあります。
そのため、スプラトゥーンやスマブラなども、基本はローカルプレイ(オフライン)のみ。



オンラインで遊べない“スプラ”なんて、超つまらない──。
と文句も言ってましたが、無視しました。
ただ、例外として「マインクラフト」だけは、学校の友達と約束したときに限り、事前にプレイ時間を決めたうえでオンラインでプレイする事を許可することに──。



何故、マイクラはオンラインで遊ぶことを許可したの?



マイクラは、自分たちで遊び方を決められるのと、コマンドを教え合ったりしていたので、プラスになることの方が多いと感じたからです。
なお、中学進学後はオンラインプレイも徐々に解禁しましたが、やはり夜遅くまで(ときには23時近くまで)プレイしてしまう日もあり、「やっぱりオンラインゲームは危ないな…」と感じています。
ゲーム禁止令がNGな理由
なお、子どもがゲーム好きなら、ゲームの全面禁止はしない方がいいと考えます。
理由①:親に隠れてゲームをするようになる
ゲームは、子どもにとって魅力的な娯楽です。
テレビCM、駅の広告、友達との会話……あらゆる場面でゲームが目に入ってきます。
特に小学生は、友だちの話題についていくことも大切な勉強です。
「ゲームをしていないだけで話題に入れない」「一緒に遊べない」と感じて孤独になるケースもあるかもしれません・・・。



わが家の子どもは、ゲームキャラクターの“カービィー”が、きっかけで仲のいい友だちができました。
それに禁止しても、ご家庭にゲーム機がある環境であれば隠れてやるようになるかもしれません。
それならば、ルールを作ってやらせた方が、子どもにも学びになる部分があるのかな・・・と思います。
理由②:中学入学後にゲーム依存が爆発
中学受験のためにゲームを完全禁止した家庭で聞くことがあるのが、「受験後の反動」です。
つまり、合格した反動で、娯楽に一気にのめり込み、中学入学後に成績が急降下するケースです。
小学生の頃から少しずつ付き合い方を学んできた子と、全く触れずに育った子では、中学以降のコントロール力に差が出てくると考えます。
“禁止”は一見、しつけとしては強そうに見えますが、実は危ういバランスの上に成り立っているものなのかもしれません──。
まとめ
私個人としては、スマホゲームに対しては否定的です。
何故なら、ゲームが日常に溶け込んで“習慣化”するのは、思考力の低下や依存を招くと感じています。
とはいえ、すべてを否定するわけではありません。
たとえば「ポケモンGO」や「ドラクエウォーク」のように、外に出て体を動かすことを促すタイプのゲームには、健康促進の面で一定の価値があるとも思っています。



ただ、iPhoneを開発したスティーブ・ジョブズが、自分の子どもにはスマホを使わせなかったという話は有名です。
それだけ、使い方によってはリスクがあるということを、当の開発者自身が認識していた証(あかし)ともいえるでしょう。
今の子どもたちは、私たちの子ども時代と比べて、はるかに多くの娯楽に囲まれて生きています。
だからこそ重要なのは、「ゲームをやる・やらない」ではなく、どのように付き合っていくかという視点だと思います。


ゲームに限らず、スマホ、SNS、動画配信など——さまざまな“楽しさ”が簡単に手に入る今の時代。



こうした娯楽とどう向き合い、どこで線を引くか。
それがこれからの子育てにおいて、大きな課題になってくるのではないかと思います。